「社会のニーズと嚙み合わない」と思った時に読みたい本

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岩元先輩ノ推薦  椎橋 寛[漫画]

活きる場所はどこにある?

誰しも(自覚があるかは別として)得意なことがあるものです。

個人的にはそこを伸ばして活かしていくことが一番楽であると思いますが、今の場所で全く得意を活かせず、苦手をこなしながらなんとか日々をやり過ごしている人もいるでしょう。

コミュニティの役に立てていないと感じると、自分に自信が持てず心細くなりますね。

そんな気分になったときは、居場所を作るために奔走する人の姿に励まされてみませんか?

かつて週刊少年ジャンプで「ぬらりひょんの孫」を連載していた椎橋 寛(しいばし ひろし)先生による、ロマンと異能が盛りだくさんの漫画をご紹介します。

もはやタイムスリップ

「岩元先輩ノ推薦」の舞台は1910年代の日本らしき場所です。
現実の歴史では明治・大正時代。大戦景気に沸き、思想の花開く勢いのある時代でした。

主人公の名は岩元 胡堂(いわもと こどう)。陸軍栖鳳中学校の3年生であり、学園長 橘城 某居(きつじょう ぼうきょ)の訓令により津々浦々に赴きます。

その訓令とは「能力者の調査」

オカルト界隈では旧日本軍が超能力について研究していたという噂は有名です。
様々な創作のモチーフになっているのでご存じの方も多いでしょう。

全国で発生する奇々怪々な事件を調査する岩元。その裏にある事件の真相と能力者たちの苦悩が描かれます。

そんな岩元が訪れる先々の土地は、当時の風景が忠実に描写されています。
建物や服装、流行りの文化に人々の仕事の様子まで、その場にいるように当時の空気を感じてワクワクしてきます。

ちなみに私は浅草六区の劇場通りの風景が好きです。
沢山ののぼりと看板が賑やかさを演出していて、新しいものが生まれる場所である「特別感」が今は見られない風景を見ているという気分をさらに盛り上げてくれます。

椎橋先生は日本独自の文化や妖怪といった民俗学の要素を反映した作品を多く手掛けており、今作でもその世界観は健在です。

こういったレトロ文化が好きな人には、たまらない作品となっているでしょう。

欲しい環境

岩元が出会う多種多様な能力者たち。
その能力が巻き起こす事件の根底には、世間の異物ゆえの苦悩や迫害が隠れています。

それに寄り添う岩元もまた能力者であり、彼らに共感する姿とその奮闘には信念と高潔さが垣間見えます。

しかしながら、陸軍栖鳳中学校のモデルと思われる陸軍幼年学校は満13歳以上・満15歳未満の男子が対象。
3年生の岩元は、16歳か17歳くらいでしょうか。
アラフォーの見えてきた私からすれば全然子供といえる年齢です。

若者が他者のために時に身を削る様子は、同じような過去を持つことが容易に想像できてしまい、過去の自分に対する救済への渇望も見え隠れしているように感じます。

望んだわけではない能力に翻弄され、世間からはみ出したり利用されたりする能力者たち。
そんな彼らを岩元は「推薦」という手段で学校に誘い匿い、鍛えます。

そういった居場所を与え能力を伸ばそうとする姿勢は、自分の資質を活かしきれずにもがいた経験のある人の多くが望むものでしょう。

同じ悩みを持つ仲間が集まり切磋琢磨する場所。私も欲しいです。

居場所探しの活力に

超能力が無くても、無理解に傷つくことは誰にでもあるでしょう。

そんな時私は「原因となる人や環境から離れる」「そこ以外に居場所を探す」ことにしています。
正直、それに付き合う時間が惜しいですからね。

そんな居場所の一つがこのブログ。
自分の気持ちを形にすることは、落ち着くし頭がスッキリします。

自分より若い子が奮闘しているのに、負けてられません。

あなたも自分が生きる場所を探してみませんか?

ではまた。

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