誰にも支配されずに生きる -アドラー心理学 実践編-
岸見 一郎[著]
<こんな人にお薦め>
・自己啓発本は実践が難しい、と思う人
・心理学を学びたい人
・人間関係に新しい視点が欲しい人
行うは難し(問い)
巷にあふれる「自己啓発本」。
多くの成功体験やそのノウハウを知ることが出来るジャンルで、本屋の棚で物量と存在感が目立っています。
しかし、成功者の経験はどこまでも「他人事」。
自分で実践となると別問題ということがほとんどなのが現実です。
そんな中で出会った「理論を生活に結び付ける」ことを重視した一冊。
今日は、実践的な心理学系自己啓発本の紹介です。
「嫌われる勇気」著者の最新作
一世を風靡した「嫌われる勇気」。
その著者の一人、岸見一郎先生の最新作が「誰にも支配されずに生きる アドラー心理学実践編」です。
恥ずかしながら食わず嫌いをしており、私にとって初めて読んだアドラー心理学の本となったのですが、もっと早くアドラー心理学に触れなかったことを後悔しました。
特に特徴的だと感じたのが「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」として理論をどう生活に結び付けるかを重視した内容。
親子や会社での関係など、多くの人が共感しやすいシチュエーションでの実践方法が書かれており、漠然とした成功を追わない地に足のついた理論を説明してくれていると感じました。
「自分に価値がある思える時にだけ、勇気を持てる」という考えを基本の一つとして、その「価値(≒自己肯定感)」を育てるにはどうすればよいか。
そのための具体的なコミュニケーションの方針を学ぶことが出来ます。
支配されがちな人に
私はとにかく高圧的な人がダメで、たとえば仕事のミスの叱責など、自分に原因があることでも強い口調だと受け入れたくないと思ってしまいます。
褒められた態度ではないですが「そんな状況で素直に受け入れられる人がいるとはとは思えない」と考えていた時に「このモヤモヤに効くのは心理学だろう」と出合ったこの本。
私が相手にこうして欲しかった、という願望が記されているように感じました。
何より「第一章 なぜ人を叱ってはいけないのか?」で書かれていた「勇気づけ」について。
「人が困難に直面した時、それに取り組む勇気を持てるように援助する」という行動指針は、自分がしてほしかったことと目指したい人物像を的確に表していました。
そして「第三章 ゆっくりと変わる」。
各章の中で最も多く「実践」について書かれた章です。
「対人関係は支配か依存になりやすい」として、自立した対等な者同士の関係の築き方について丁寧に解説されています。
主に親子関係を前提とした説明になっていると感じましたが、上司と部下、恋人や夫婦にも当てはまり、大抵の人間関係に対応できます。
その上で、アドラー心理学が推奨する人間関係を構築するには時間がかかると思いましたし、自身の不適当な心の癖を治すことも難しいと改めて感じました。
しかし、さらにその上で「何度も何度も考え直して学んでいくことが大事」だともされており、出来ないことに対するプレッシャーを感じすぎない教えになっていると気が楽になります。
こういったところも、実践重視のアドラー心理学らしさの一つなのかもしれません。
「実践できる自己啓発が知りたい」に効く本
・実践重視の地に足の着いた心理学
・人に接する基本「勇気づけ」
・時間をかけながら、トライ&エラーを繰り返す
以上、「実践できる自己啓発が知りたい」に効く本の紹介でした。
「世界を変えたい」という思いのもと、ここまで広がってきたアドラー心理学。
支配されてきた側であるという思いを持ってきた人に、前向きな可能性を示してくれます。
いい加減相手が変わることを期待し続けるのはしんどいもの。
まずは結果を気にせず、自分たちを少しだけ変えてみませんか?
では。
v1.png)

コメント