奇岩城
モーリス・ルブラン[著] 平岡 敦[訳]
こんな人にお薦め
・初めてミステリーを読む人
・古典ミステリーに挑戦したい人
・冒険要素の強い、ワクワクしたミステリーを読みたい人
物語の一大ジャンル「ミステリー」
エドガー・アラン・ポーが生み出したとされる「ミステリー小説」。
その怪しく好奇心をそそられる世界は、現在も多くの人々を魅了し続けています。
数多くの作品とジャンルが誕生し、文学界の一大コンテンツと言える「ミステリー」。
しかしそれゆえ、今まで読んだことが無い人にとっては「どこから手を付けたらいいか分からない」ジャンルともいえるでしょう。
今日はそんな人に「初めての古典ミステリー」としてお薦めの本を紹介します。
奇岩城へ至る冒険
私がお薦めするのは、1909年に発表された長編ミステリー小説「奇岩城」です。
著者のモーリス・ルブランは「アルセーヌ・ルパン」の生みの親で、怪盗ルパンならご存じの人も多いでしょう。
本作にも怪盗ルパンが登場しますが、主役となるのは少年探偵イジドール・ボートルレです。
ルパンが起こした事件に居合わせたボートルレ。
警察も手を焼くこの事件を、持ち前の頭脳と機転により解き明かしていきます。
そんなボートルレに降りかかる、ルパンの妨害。
悩み葛藤しながらも、ボートルレは事件の全貌とその背後にある大きな歴史の秘密に迫っていきます。
複数の鉄板要素
この小説をお薦めする理由としては「複数の要素」が盛り込まれていることが挙げられます。
「謎解き」「暗号」をベースとし、「怪盗VS探偵」の対決構造。
主人公である少年探偵ボートルレの「冒険と成長」。
とある人物の「恋愛」に「歴史ロマン」と、読者をワクワクさせる要素が山のように盛り込まれ、二転三転する物語に読む手が止まらなくなるエンタメ小説となっています。
この一冊を読めば自分の好みが把握できるので、そこから他のジャンルを広げていくことができるでしょう。
または、怪盗ルパンの背景を知るために「ルパンシリーズ」を読み始めてもいいかもしれません。
他作品へ手を伸ばす際の、基点とするに便利な作品なのです。
注意点
本作の注意点を上げるとすれば、ハッピーエンドではないということです。
謎は解明され事件の全貌は明らかになります。
しかしドラマチックな冒険の終点は大団円とは言えないものでした。
どうしても悲劇は受け付けないという人にとっては、避けた方がいい作品かもしれません。
しかし、人間らしい弱さが丁寧に描写される魅力的な登場人物に、数多くの興奮要素が散りばめられたこの作品は、大人でもワクワクできる一冊です。
そこを受け入れられる人には、ぜひ読んでみてほしいと思います。
「奇岩城」まとめ
・数多くの要素が盛り込まれたエンタメ色の強い作品
・他の作品へ手を広げていく基点となる一冊
・「ハッピーエンド」が好きな人は注意
以上、「初めて古典ミステリーを読む人」へのお薦め本の紹介でした。
奇岩城は多くの人によって翻訳されてきた作品ですが、私は平岡 敦さんが翻訳を手掛けた一冊をお勧めします。
たまにある翻訳本特有の読みにくさが無いと感じたので、その部分でも入門書としてふさわしいでしょう。
ここからミステリーファンが増えていくかもと思うと、夢が広がりますね。
では。
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