「”すべき”が苦しい」に効く本

感想文

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
八木 仁平[著]

今と昔の「なすべき」

「なすべきをなす」と聞けば、かの松下幸之助さんの名言を思い浮かべる人も多いでしょう。

しかし、私は先生やお母さんからよく言われてきた「必要なことを早くやってしまいなさい」の意味の言葉が思い浮かびます。

今思えば、子供に生活習慣を身に着けさせるための言葉でありますが、正しく成長してほしいという願いでもありました。

翻って現在。
その意味が大人になってからは変化し、「なすべき」ばかりで好きなものを見失い、それに気づいてはいるもののどうしたらいいか分からず、ストレスとモヤモヤを抱えている人は多いでしょう。

真摯に私たちの成長を願ってくるわけではない。
出来るようになって褒めてほしい、とも思わない。

今日はそんな好きなことも得意なことも見失いかけている人を、実用的に助けることが出来るかもしれない実用書のご紹介です。

実体験から生まれた「自己理解」

30万部突破のメソッド本

「世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方」は著者の八木仁平さんが開発した自己理解メソッドについてまとめられた一冊です。

自己理解メソッドとは、八木先生ご自身の大学時代の挫折から生み出された「本当にやりたいこと」を見つけるための手法です。

3か月かけて10個のチャプターに取り組むことで、本当にやりたいこと探しを終わらせることができます。

明確な目標にエネルギーを集中させることで、継続的な成長と自分らしい成功を目指すことが出来るうえ、経済的にもきちんと稼げる。現実的な夢の叶え方を見つける本とも言えるでしょう。

趣味嗜好も実現手段も多く溢れている現代で、自分が進むべき指針を知る一歩となりますよ。

これから働く人も、今働いている人も

私が本書に出合ったのは、まさに働き方に悩んでいたころ。
転職するにも、「そもそも自分にできることは何だろう」と悩むばかりで、具体的な行動に移すことはできずにいました。

自分を知らなければどうにもできないと思い至り、「自己理解プログラム」を受講するきっかけとなった本です。

社会人になって15年以上も経つ私ですが、できれば学生時代に出合いたかった本だと思います。

この先の進路に悩む学生さんも、現状がシックリこない社会人も。
働き方について悩む全ての人に役立ってくれる実用書です。

「受講」の注意点

原体験を掘り下げる

この章では実際に受講してみて感じた、ちょっとした注意点を残していきたいと思います。

まず、自己理解プログラムでは幼少期の思い出や、ネガティブな経験を掘り下げる質問があります。

どちらも「自分」というものを形成している大事な記憶で、これらの質問にも真剣に答えることが、精度の高い結果を導き出すのに必要となります。

子供時代を思い出すのは楽しい反面、それが一生苦手となることを決定づけた、苦い記憶もあるでしょう。

また、普段は考えないで済んでいる嫌な経験をあえて直視することは、当然ストレスを伴います。

心の専門家の手助けが必要なほどの経験をされてきた方などは、安易に手を出すには向かないかもしれません。

一人で取り組む人への注意事項

ワークの中には「他者から見た自分の印象を聞く」といった課題もあります。

本書から自己理解メソッドを知った人の中には「人と接するのは苦手だが、本は好き」という人もいるでしょう。

あるいは故郷を離れて一人暮らしをしていて、身近に自分のことについて聞ける人がいない場合等も、この手の課題は難しいものになります。

また、自己理解メソッドの前半では「自分の内側からくる理由付け」が重視されます。

自分が出した答えが「内側」か「外側」か、自己判断では自信が持てないと感じた瞬間があり、人からのアドバイス・客観的視点が欲しくなりました。

そんな、本書を読んで同じように感じた人は、オンラインで自己理解プログラムに申し込むことも選択肢の一つになります。

担当コーチが付いて一対一でプログラムを受けるのですが、自分だけでは気づけない答えのズレを修正しながらプログラムを完走することが出来ました。

私も自分だけでは限界を感じ、コーチングに申し込んだクチです。

受講はそれなりに高額になりますので、無料カウンセリングから様子を見ることをお勧めします。

新たな夢追いの形

選択肢が多すぎて、どれから手を付けたらいいか分からない。
日々に追われて「自分」を見失ってしまった。

そんな人たちの新しい目標を見つけるお手伝いができる本のご紹介でした。

私の自己理解プログラムはすでに終盤で、実はこのブログもその成果の一つなのです。

「好き」を仕事にするのはやめた方が良いとよく言いますが、自己理解プログラムなら「好き」を大事にしたままで、地に足のついた生き方も十分に可能ですよ。

興味を持った方は、まずはこの本を手に取ってみてくださいね。

ではまた。

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