花とみどりのことのは
ネイチャー・プロ編集室[構成・文]
言葉に遠慮のない社会
最近、ネットニュースで新しくて酷い言葉を知ってしまいました。
遠慮も配慮も品位もない言葉に衝撃を受け、目にしただけで元気を吸い取られるようなネガティブなパワーを受け取ってしまいました。
ネットから逃れられない以上、言葉の負のパワーにさらされることの多い現代。
そんな言葉に疲れたときは、同じく言葉に癒してもらいましょう。
ネガティブワードを洗い流す、心のデトックスにお薦めの本のご紹介です。
言葉の美術書
「花とみどりのことのは」は幻冬舎より出版されたビジュアル辞典です。
構成と文を、自然科学分野を専門とするネイチャー・プロ編集室が請け負っています。
タイトルの通り、花と緑にテーマを絞った言葉で構成されており、古典文学や歌集、童謡などを出典とした日本古来の美しい言葉が編纂された一冊です。
母国語が日本語であるメリットの一つに、字面だけで情景をどの言語よりも鮮明にイメージできるといったことがあると思います。
本書に収録されている言葉は、使う以前に初めて知るものばかり。
しかしながら、その瑞々しい自然の景色がありありと思い浮かび、「日本人で良かった」と感じずにはいられない言葉たちが並んでいます。
また、ビジュアル辞典と書いた根拠となる美しい写真の数々。
自然を鮮明に切り取った様々な写真が言葉のイメージを補完します。
心の物差しとお守りに
私は本書を人の言葉で疲れたときに読みたくなります。
SNSのコメントや人ごみの中から聞こえてくる嫌な言葉は、たとえ自分に言われたことでなくとも消耗するものです。
そんな時にこの本を開くと、綺麗な言葉のシャワーが言葉によって受けたストレスが押し出され、流されていくような心地になるのです。
まさに心のデトックス。
この本が読みたくなったら言葉由来のストレスが溜まっていると判断できるので、メンタルの物差しにもなっています。
あとは気に入った言葉をいくつかピックアップし、ストレスを感じたときに思い出すのもお薦めです。
オリジナルのお経とでも言いましょうか。
好きな言葉に意識を集中することは、悪感情から離れやすくなると思います。
私は仕事中に集中が切れたときや、苦手な人の近くにいるとき等にやっています。ぜひ。
言葉に疲れやすい時代だから
綺麗なものだけに囲まれて生きられたら素敵ですね。
でも現実的に難しいのも事実。
ならば綺麗なものを山盛り手に入れてやりましょう。
言葉ならば服や宝石よりも圧倒的な量を所持できますよ!
言葉を扱ったネイチャー・プロ編集室の本なら「色の名前」もお薦めですよ。
ではまた。



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